青森松原教会ホームページ

青森松原教会は132年の歴史を持つ、キリスト教の教会です。

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20日

雪に閉じ込められました

2021年1月10日の日曜日、大雪で教会に行って礼拝を捧げることはできませんでした。家の前の道路を右に曲がるとプリウスが雪に埋まっていて、左に曲がるとまた別な車が車輪を雪にとられている、というような感じでした。翌11日も2軒隣の家でホームタンクに灯油を入れてもらおうと呼んだ燃料車が曲がり角の塀にびっしりついた雪のために近づくことが出来ず、長いホースを伸ばして給油するような有様でした。

 雪に閉じ込められる身になりましたので、聖書の中にも雪に閉じ込められる話はないかな?とスマートフォンを検索してみました。中東には雪があまり降らないせいか聖書そのものにはありませんでしたが、宗教改革で知られるマルティン・ルターの話が出てきました。

 宗教改革でローマ教皇に破門されてしまったルターは、ザクセン選帝侯にかくまわれ、ヴァルトブルク城の一室に身を隠しながら1年かけて新約聖書のドイツ語訳を完成させました。当時はラテン語のみしか認められていなかった新約聖書の表記をドイツ語で読めるように翻訳して民衆に広めたのです。雪ではなく世俗の権力によって閉じ込められたのだと思いました。

 話は変わります。

 1972年頃「痴呆」と呼ばれ、家の座敷牢みたいなところにいれられたり病院に入院しても徘徊しないように拘束されたりしていた認知症の患者さんたちに適切な治療をしようと「痴呆」から「認知症」へ呼称変更に関する国の諮問機関のメンバーになり、力を尽くしたお医者さんが88歳の時に認知症になりました。今年は誕生日がきたら92歳になります。若い頃先輩に「あなたの研究は最後にあなたが認知症になることによって完結する」と言われたことがあるそうですが、年月を重ねて本当にそうなってしまいました。長谷川和夫医師のことです。2020年の1月にNHKスペシャルで取り上げられましたのでご覧になられた方も多いかと思います。先生やご家族の方々にも病の身体をテレビカメラの前にさらすことに躊躇はあったそうですが、認知症の患者さんやその家族に正しい理解をして欲しいと思い取材に応じたそうです。実際、認知症になった私の母と同じ反応を示していたところも放映され驚きました。

 先生はキリスト教徒で奥様と初めて会ったのは教会で、その時奥様は小学生で、まさかその子と将来結婚することになるとは思ってもみなかったそうです。

 『ボクはやっと認知症のことがわかった』と『父と娘の認知症日記』という2冊が出版されました。もしもご興味がありましたら一読してください。(M.T.)