松丘保養園の神子澤悦子さんにいただいた森山諭先生が書いたこの本の感想を書きたいと思います。先生はクリスチャンの方で福島県生まれの人です。クリスチャン新聞に連載された自叙伝を単行本として出版されたのがこの本なので、お読みになった方も多くいらっしゃるかもしれません。1983年に初版がでています。
①少年の日の思い出
13日間もお母様を苦しめた挙句の出産でした。クリスチャンとして生きることを決めるまでに散々に思い悩み自殺まで考えたのですが、田舎の列車がなかなか来なくてそのために自殺しそこね、聖書につき起こされてイエス・キリストに目覚めて入信しました。
②1393年10月22日夜に感情的な問題から他宗教徒の人に松丘の北部保養園に放火されて療養所が全焼し、以来ホーリネス教会の伝道は禁止とされました。
③試練
自宅の雇人4人の中のひとりの癖が悪くて森山先生の両親の財布の金を盗むのをみつけるが、説教して直そうと5年間我慢して雇い続けます。それでも盗癖は直らず、犯人の父親から馬鹿者扱いされている中に、犯人は自分の罪を告白して自殺してしまいます。
④エピローグにかえて
「あなたたちは、夕方には『夕焼けだから晴れだ』と言い、朝には『朝焼けで雲が低いから、今日は嵐だ』と言う。このように空模様を見分けることは知っているのに、時代のしるしは見ることができないのか。」(ヨハネによる福音書16章2~3節)
森山先生ご自身が病気になった訳ではないのですが、キリスト教伝道の中でハンセン病とも深く関わって行ったようです。聖書の御言葉にささえられて人生をすごされた方でした。
(K・N)