三浦「今、星野さんのなさってることは、多くの人と結びついて、多くの人の人生とかかわり合うお仕事でしょ。どれだけたくさんの人がほんとに力を得て生きているかわからない。そりゃ、つらいし、周囲の人にも苦しい思いをかけるけれど、神さまの与えてくださった道は間違いないんだっていうか、愛なんだっていうことを信じられますよね。」
星野「ええ、それはもう、本当に。なんていうか、神さまは、このおれのためにいいことしてくれたと思うんです。」
三浦「『苦しみに会ったことは、私にとってしあわせでした』と、いただいた色紙に書いてあって心打たれましたけど、苦難をいいものとして受け入れたら、もうこれ以上のことはないですよね。」
(『銀色のあしあと』より)
この対談は、1988年5月に詩画家の星野富弘さんと、星野さんに大きな影響を与えた、実在のキリスト者を主人公に多くのモデル小説を描いた三浦綾子さんとの対談を、星野さんの住む赤城山の麓、渡良瀬川沿いに広がる山間(やまあい)の里の東村で行われたものである。
星野さんのふる里に、三浦綾子さんをお招きし、お二人に心ゆくまで語り合っていただきたいという、月刊誌『百万人の福音』でお二人に連載を執筆していただいている編集部の方たちの密かな夢の実現であると、後記にありました。
読む度に感動し、生きる力を与えられ、生かされてあることの神さまへの感謝・愛などが強く感じられました。また、対談がスムーズに行われ、ユーモアもあり、楽しく、面白く、アッという間に読むことのできる一冊です。心が豊かに穏やかになれます。
まだ、読まれていない方に、是非おすすめしたい本です。
対談『銀色のあしあと』(いのちのことば社) (R.E.)