青森松原教会ホームページ

青森松原教会は134年の歴史を持つ、キリスト教の教会です。

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2022年

たかがユニホーム!されどユニホーム!

テレビ好きです。テレビを観ないことには知ることのできない、旅番組、科学の世界、お笑い、芸術の世界、政治の深掘り等々。

 先日チャンネルを切り替えて、偶然目に入って驚いた番組があった。自分とは全く違った価値観の世界がそこにはあった。

 番組名は、『なんでも鑑定団』。自分のお宝である持ち物をプロの鑑定士が鑑定をし値段をつける番組。私が観たのは、ネットオークションで130万円で買ったモノが出品されていました。

 その品というのが、米国のNBA(ナショナル・バスケットボール・アソシェーション)のワシントン・ウィザーズというチームで活躍する八村塁選手が、公式デビュー戦で着た、チーム名と8という数字が印字されているユニホーム。

 スポーツに疎い私だけれど、何かとテレビの話題にもなったりして、いやがおうでも記憶に刻まれる存在として知った八村塁選手。

 その品は、昔風に言えば、男子下着用ランニングシャツ型のユニホーム。たったこれだけの品をオークションで130万円で買う人がいるという驚き。それだけでも驚きだったのに、鑑定の結果がナント!!1000万円。エエッー?!鑑定士は、公式デビュー戦で八村選手が活躍を見せたことから更に価値が上がったとコメントしていた。たかがユニホーム、されどユニホーム。そのモノが誰のモノだったか、どのような功績があったかで決まる価値。130万円で買ったものを一気に1000万円に押し上げたのは鑑定士だけれど。摩訶不思議な世界だが、色々な分野で功績をあげた人が賞賛されることに異議はないし、1000万円のユニホームに驚きはあっても否定する気はない。

 ただ世の中、色んな分野でひたすら競争社会になっている昨今を危うく思う。経済成長、新資本主義の声に不安を持つ。ふるいから落とされた人たちは、生きづらく、弱者となっていく。そこから生じるさまざまな歪みが自分を傷つけ、他人をも傷つける世の中になってきているよう思う。

イエスさまは、

 『疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませて

あげよう(聖書 マタイによる福音書11章28節)』 

 とおっしゃっている。キリスト教の教会が、どのような人にも開放され、教会に行けば誰もがホッとするとなるために、私はその教会を構成する一人として、イエスさまのお心を少しでも、ほんの少しでも日々の中に実践したい。(S. K.)

主われらと共にいます

主われらと共にいます

最近の俳句ブームに乗って、私も入門歳時記を読み楽しんでいます。
四季の美しい言葉、自然と生活から生まれた言葉や知識、それらを季題に詠まれた数々の例題句などが楽しめます。
誰のどんな句があるのか、さっぱりわからない初心者の私には、いろんな句を知るための良いガイドブックとなっています。
印象に残った句の1つに、

    病者の手窓より出でて春日受く
                                                     西東 三鬼


があります。
春の喜びや希望、病の苦しみや不安、作者の憐憫や願い…等のたくさんの感情が、十七音という短いフレーズにこんなにも込められ、そしてそれが誰にでも共感できる、俳句ってすごい!と衝撃を受けました。

そして私の勝手な解釈ですが、この句から、遠藤周作さんの著書「聖書のなかの女性たち」の中の「病める女」を連想しました。
新約聖書の「イエスの服に触れる女」のエピソードをもとに、病にある方々へのメッセージが書かれています。

「貴方は今夜も眠れぬ夜をお送りになるかもしれない。しかし、貴方は決して一人ぽっちではない。かつて貴方と同じように病にくるしんだこの女がカファルナウムの町にいた。キリストは彼女を決して孤独にはしなかった。かすかな一本の指先からもその悲哀を理解したのです。」

春日に伸ばされた手の先にもイエス様がいる。
作者が向ける眼差しの中にもイエス様がいる。

イエス様、どんな時も共にいてくださり、ありがとうございます。                (A.Y.)