青森松原教会ホームページ

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2021年

教会で歌われる讃美歌には、皆様もよくご存じの曲があります

教会で歌われる讃美歌には、皆様もよくご存じの曲があります。

それは外国の民謡であったり、オペラの曲であったり。

今日はそのような曲を何曲か紹介したいと思います。

さて、最初の曲は「春の日の花と輝く」です。これはアイルランドの歌曲「僕は君を変わらず愛し続けるだろう」というもので、アイルランドの国民的詩人トマス・ムーアによる熱烈な愛の歌を、堀内敬三が日本の四季の美しさと、恋する思いを重ね訳しました。

トマス・ムーアは「庭の千草」なども手掛けています。

この讃美歌は「世界で最も知られ、最も広く用いられているこどもの讃美歌」“主われを愛す”です。

「こどもたちを愛するイエス様のお姿と、天国はこどもたちのものである」ことを歌っています。

次はイングランド民謡の「埴生の宿」です。原題はHome!Sweet Home!「楽しき我が家」です。

イタリア民謡から着想を得たイギリスのヘンリー・ビショップの作曲、アメリカのジョン・ハワード・ペインの作詞です。日本語の歌詞は「庭の千草」や「アニーローリー」などを手掛けた里見ただしです。

この曲は1889年12月東京音楽学校が出版した「中等唱歌集」に収蔵されました。

太平洋戦争勃発に伴い、洋楽レコードが「敵性レコード」として廃棄が呼びかけられる中でも、歌詞を邦訳した「埴生の宿」や「庭の千草」などは国民生活になじんでいるということで「敵性レコード」から外されたということです。

2006年には日本の歌百選のひとつに選ばれています。

映画、ドラマでも使われていますが、例として「木下恵介版の二十四の瞳」「ビルマの竪琴」「火垂るの墓」「ゲゲゲの女房」など。また駅の到着放送などに放送されたりもしています。

その中でも印象深いのは「ビルマの竪琴」で日本兵が「埴生の宿」を歌い、それを聞いたイギリス兵の心が動き、イギリス兵は同じメロディーの「Home!Sweet Home!」を歌い、戦いが止まったという有名なシーンが思い出されます。

肝心な「埴生の宿」とはいったいどんな意味なのでしょう?

ご存知の方もおありでしょうが、床も畳もなく、土むき出しのままの家のことだそうです。

そんな家だけれども、育った家というものは、玉の装いを凝らし、瑠璃の床を持った殿堂よりずっと楽しく、また頼もしい、という歌です。

讃美歌2編147番です。この讃美歌は「きよしこの夜」を訳した日本の牧師であり、代表的な讃美歌作家である由木康が訳しました。ホームとはこの世の家だけでなく、魂のふるさと、天国をも現しています。

最後に紹介しますのは讃美歌285「主よ御手もて」です。

原曲はウェーバー作曲のオペラ「魔弾の射手」序曲です。わたしも「魔弾の射手」という名前は知っていても、観たことがないものですから、非常に興味があります。今回のことでちょっとインターネット調べたら、なんでも「怪談」をもとにしているとのことです。ますます興味がわいてきました。

さて、この讃美歌の作詞をしたのはスコットランドの牧師ボナーです。

「主よ、わたしの選ぶ道ではなく」という書き出しに始まります。

 およそ悩みというのは、願望が増長される時に起こります。主の道ではなく、自分の道を突き進もうとしていると、必ずガツンと打ち砕かれるのです。そして、この讃美歌を歌いながら、再び「主よ、私の選ぶ道ではなく、あなたの道を行かせてください」という気持ちにさせられると、不思議と「神様がしてくださる」という希望が湧いて来て、再び元気が出てくるのです。

ちなみに、日本の童謡で、「秋の夜半」という曲がこのメロディーです。1910年中学唱歌として発表されました。ご存知の方いらっしゃるでしょうか?歌詞は

秋の夜半の み空澄みて

月の光   清く白く

雁の群れの 近く来るよ

一つ二つ  五つ七つ

まだまだあると思います。時にはこんなふうに讃美歌のルーツを調べてみるのも楽しいものです。(R. H.)

小さな出来事の大きな喜び

ピアノの好きな友人から
「娘のコンクールの課題曲、決まったよ」と動画が届きました。
曲名はメンデルスゾーンの「なぐさめ」

ん? このメロディーは・・・
♪ あ~さ~かぜ~  しずかにふき~て~
讃美歌211番でした。

私が「これ讃美歌だよ」と写真を送ると、
友人は「そうか、どうりで、なぐさめられる訳だ! ピアノの先生にも教えてあげよう」と言ってくれました。娘さんも お気に入りだそうです。

彼女の言葉に嬉しくなった私は、
「クリスマスの曲でも メンデルスゾーンの有名なのあるよ!」と
ウキウキと讃美歌262番「聞け天使の歌」の写真を送りました。
彼女は学生の頃からの友人で、私がクリスチャンになる前も後も変わらず理解を示してくれています。
けれども「うちは親の代から無宗教」と言い切っていたので
やはりキリスト教の話は遠慮しがちでした。

日頃から「どうしたら周りの人に福音を、イエス様の愛の素晴らしさを伝えられるだろう。押しつけにならないように って難しい」と感じていましたので、
この時 メンデルスゾーンがきっかけとなって、讃美歌を通して御言葉を伝えることができてとても嬉しかったです。

ほんの些細な出来事でしたが、このような機会を神さまが与えてくださったこと、感謝いたします。(A. Y.)

テレビ大好き

私はテレビが大好き。自分の知らない世界を教えてくれるから。時には知らなかった方が心穏やかでいられることもあるのですが…。

 それはさておき最近の番組で、ほんとに観てよかったのは、ETV特集『世界を変える“大発見”はこうして生まれた カリコ×山中伸弥』。

 山中伸弥さんが出る番組は観るようにしていますが、この表題を見た時には、“エッ?!お笑い系の人と対談するの?”と思ってしまいました。

 ところがどっこい、カリコさんは1955年生まれ、ハンガリー出身の女性生化学者でした。カタリン・カリコが正式名。忘れ難い名前です。山中伸弥さんとはリモートでの対談。

 現在、世界中で接種されているmRNA(メッセンジャー・アール・エヌ・エー)ワクチンの基を造った人です。米国でいち早くワクチンが造られたのは、トランプ元大統領の強引さだろう位に思っていたのですが、それがあったかどうかは別にして、新型コロナ出現前からワクチン開発に地道な研究を続けていたのがカリコさんです。

 カリコさんの親は肉屋さん。ハンガリーで研究生活を続けていたが、共産圏国家の行き詰まりで研究費支給が停止になり渡米。mRNAを発見し、それを医療的に使う研究を続けていたペンシルベニア大学で偶然、免疫学のドリュウー・ワイスマン教授とコピー機の前で出会い、「共同研究したら、医療的に有効なワクチンを造れるんじゃない?」というのが発端で共同研究が始まった。新型コロナが現れる前の話し。思うようにはいかず、地道な努力且つ継続困難な目にも遭いながら、それでも成功にこぎつけ論文を発表したものの、これまでの学説にない発表だったので学会の反応は冷ややかだっと。そのような時に、ドイツのベンチャー企業であるビオンテック社から声がかかり副社長として迎えられ、現在の肩書きは、ペンシルベニア准教授&ビオンテック社高級副社長。 

 山中伸弥さんがiPS細胞の発見でノーベル賞を貰った後、ハーバード大学の研究グループがカリコさん達のmRNA技術を使うと効率よくiPS細胞が造れることをつきとめ、それがきっかけでカリコさんたちが一躍脚光を浴びることに。カリコさんを迎えたビオンテック社はmRNAを使ってガンの治療薬やワクチンを開発していたそうです。そういう時に新型コロナ発生。いち早くビオンテック社と米国のファイザーが社が提携しmRNAワクチンの製造開始。モデルナ社はカリコさんの技術を使ってワクチンの開発を進めていたそうです。

 下地があったために、ワクチンを完成させるのに一年足らずだったという。

 物事の真実・内情は外側からだけでは判らないものですね。

 テレビ画面を観ながら、この方とワイスマン教授の長年の地道な研究結果が、私の中にも接種されたんだという身近さと不思議さと感謝。

 カリコさんは、「私のことをヒーローと言う人がいますがそれは違います。患者を治療する医師、看護師、清掃作業の人たち。感染リスクがあり、命を危険にさらしている彼らこそがヒーローです。私はただ研究室にいただけです。」なんという謙虚で温かな人柄なんでしょう。

 私は食事をしながら録画したテレビを観ることが多いのですが、“何を観ようかな?”と選ぶのも楽しみ。今夕は何を観ようかな?(S. K.) 

   ※番組はNHKオンデマンド(有料)で観ることができます。