青森松原教会ホームページ

青森松原教会は132年の歴史を持つ、キリスト教の教会です。

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2021年

2021年に思ったこと

 2019年から2020年にかけての冬は記録的な暖冬で、2020年から2021年にかけての冬は記録的な降雪があり除排雪が到るところで間に合わず市民生活が大変だった。

 それでいくと2021年から2022年の冬は暖冬傾向なはずだが、どうなることか。

 2021年6月8日(火)、自分の家の2階の布団部屋を片付けていたら一組のレースのカーテンが出てきた。さっそく居間のレースのカーテンと取り換えてみた。百合の花のモチーフが模様としてあるもので、とても美しい。他人に話せば何も共感を産まないと思うが、自分では嬉しかった。新型コロナ禍の今はそうした小さな幸せを実感することこそ大切だと思う。そしたら6月10日(木)、今度は草だらけの庭にクレマチスのような花が咲いているのに気が付いた。つる性植物である。植えた覚えはないのに。これもまた神様のお恵みだと思いたい。草取りは苦手だが、頑張ろうと思った。思っただけであまりできなかった。

 2021年はオリンピックがあったせいか、NHKのBSプレミアムで再放送される懐かしい番組が多かった。その中のひとつに『バチカン秘密の迷宮~日本初公開!美の聖地の2000年~』があった。初回放送は2020年12月19日だったが、今年の8月にも見たし10月にもまた放送されていた。井上二郎アナウンサーが進行役を務めていた。総合で毎週土曜日の9時~9時30分、『週刊まるわかりニュース』を担当している人だ。私はこの人の声が好きで聞いただけで、ああ、あのアナウンサーさんだとわかる。

 そのバチカンの番組の冒頭、サン・ピエトロ大聖堂にある沢山の彫像がこちらに向かって飛んでくるような演出があった。その中のひとつに聖ヴェロニカの像があった。

 主イエスが十字架を背負わされゴルゴダの丘に連れて行かれる時その汗や血を拭ったために聖人に数えられたあの女性である。私はハンカチか布巾のようなもので拭ったと思っていたが、バチカンの彫像はマントのような大きな布を彼女が広げたところを切り取っていたので、驚いた。あんなに大きな動作をして兵士にとがめられたりはしなかったの?と思った。彫像を作った人と私の感じ方の違いなのだろう。

 新型コロナは下火になりつつあるが、まだどうなるかはわからない。安全な治療薬が早く誰の手にも安価で入るようになればいいと思う。違う病気が流行るかもしれないし、相変わらず日本のあちこちで地震も多い。不安になろうと思えばいくらでも不安になれるが、ここは根性をもって安心して生きようと思う。日常のなにげないことこそ恵みであり幸せであるのだ。安心しよう、それはまだ私たちの内にあるのだから。 (M.T.)

認知症の父の心に寄り添いたい

認知症の人は新しいことを記憶できなくなります。認知症が重くなるにつれ、それまでできていた操作もできなくなります。ストーブのつけ方消し方、湯沸かし器の操作、やがてテレビや天井灯のリモコンの使い方もわからなくなります。食べたこと、様々なできごとがあったことを忘れてしまいます。

でも、忘れるからといって、どんな対応をしてもよいのではありません。なぜなら、感情は忘れずに残るからです。それも、認知症になる前より、ずっと鮮明に・・・。たぶん、自分でも不安でいっぱいなので、自分に対する否定的な言葉にずっと敏感に反応して、心が深く傷つき刻まれるのでしょう。傷つけられた言葉や出来事自体は忘れてしまっても、傷ついた感情は残り、現に本人の目の前にあって長く尾を引きます。そんなことを認知症の父から、また家族会のお話から学びました。そんな認知症の父の心に寄り添っていきたいと思っていました。できなくなることは増えるけど、なるべく日々を楽しんでもらいたいと・・・。

感情は残るなら楽しい気持ちも長引くのではと思い、父は野山の花や紅葉の写真を撮るのが好きだったので、春には浅虫の湯の島や梵珠山麓へ、秋には八甲田山周辺へ、父と出かけました。ただ、花や紅葉を見ている最中はとても喜ぶのですが、帰りの車中では楽しんだことをもう忘れてしまい、疲れて不機嫌になるのです。どうも期待したほど楽しんだ感情は残らないのかなと思いました。でも、父が撮った写真を大きな紙に貼って、どこでいつ撮ったのかも大きな字で書いて、父の部屋の壁に貼ったところ、父がとても喜ぶようになりました。目の前で見えると、その都度、楽しいことを追体験できるのかもしれません。

とはいえ、私もいつも初心を守り続けられたわけではありません。ずっと一緒に居て同じことを繰り返されると、イラついた対応をしてしまう時もありました。

そのたびに”父の心に寄り添いたい”と心に言い聞かせる・・・そんなことの繰り返しでした。

(ペンネーム:すぬこ)こと(S.K.)

バリデーションのテクニック2「事実に基づいた言葉を使う」

認知症の人は、自分自身の感情を理解しようとしません。たいてい自分がなぜそんなことをしているのかについて、あまり関心がありません。自分の気持ちに直面すると内に引きこもってしまいます。効果的にコミュニケーションをとるために、介護者は認知症の方に対して、自分自身の感情を無理やり直視させるような質問は、避けなくてはなりません。事実を聞く質問に集中するべきです。つまり、「誰が」、「何を」、「どこで」、「いつ」、そして「どうやって」というような質問です。そして、「なぜそんなことが起こったの?」、「なぜそんなことをしたの?」などの質問は避けるべきです。「事実に基づいた言葉を使う」ことで、落ち着いてコミュニケーションが図れるようになります。
 以上、今回は「事実に基づいた言葉を使う」テクニックについてお伝えしました。
 最後に、季節の変わり目です。体調に気を付けて、ご自愛ください。(Y. K.)