寒さ募る大寒の日々を埋める本を探していたらこの本に出会いました。日頃尊敬を寄せる作者、渡辺和子氏にしては予想外のタイトルだなと思って目次を開いてみました。
私に合いそうな数ある小見出しの中には「人格と人格性」「人格性の特徴」「人間の成熟」
等とても難しそうなものもあり「やはり渡辺氏らしいな」と読む決意を固めました。私にとってのわかり易い部分だけを紹介することをお許し願います。
ご本人の意図として「心ふさぐ時や生き方に迷う時、自分らしさを見失わないための人生論です。人間の尊さ、力としての愛、自由とは何か……など、大学での三十年以上の講義を収録」したというものです。
以上の弁解をして、紹介に入ることに致します。
Ⅰ 礼儀
- お辞儀の仕方として、お辞儀には始めと終わりがあるから、頭の位置と手の状態をきちんとすること。
- 何かの講演等を聞く場合には内職しないこと。
Ⅱ 人格
- 相手の知能の高低に価値づけをしないこと。
- 付和雷同的な判断は慎む。
- ※「人見るも良し、人見ざるも良し、我は咲くなり」
Ⅲ 愛
- ここで登場する人はマザー・テレサです。無報酬で三回来日しましたが、その度に背中の丸みが強まりました。汚い臭いで目をそむけたくなるお姿だったと表現しておりました。
- ドイツのヒットラー時代のユダヤ人絶滅政策の中での、コペル神父が餓死を命じられた人の身代わりになったことも取り扱っています。クリスチャンらしく「キリストの最高の辛さは、自分を裏切った人間が弟子だったことであろう」と推察をくだしておりました。涙をさそうような言葉だと思いました。
三浦綾子氏の小説の中にある次の文を添えて『「ひと」として大切なこと』の紹介を閉じることにします。
『真の愛と呼ばれるものは誰もが愛せるものを愛することではなくて、誰からも顧みられない価値なきかに見えるものに注がれる愛である。』
なかなか書き進められないものを貧しいながらも、やっと終えることができました。
神様のお力添えを感謝申し上げます。
(K.N.)
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