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訳文の妙  その時にかなって美しい

訳文の妙  その時にかなって美しい

2024年9月22日の主日礼拝は北西地区講壇交換で石川敞一牧師(浪岡伝道所)をお迎えし、説教していただきました。そのお話の中に「コヘレトの言葉」3章11節から引用された「神のなされることは皆 その時にかなって美しい」という言葉がありました。
きれいな言葉だなと思い、新共同訳(2004年)聖書で確認したところ、「神はすべてを時宜にかなうように造り」とあり、なにかそっけなく、石川牧師の引用と違いました。石川牧師指定の聖書箇所で詩編31編15節は口語訳と指定されていたので、口語訳聖書で「伝道の書」3章11節をみてみたところ、引用通り、「神のなされることは皆 その時にかなって美しい」という訳文でした。ついでに、聖書協会共同訳(2018年)聖書で「コヘレトの言葉」3章11節をみると、「神はすべてを時にかなって麗しく造り」とあり、新共同訳よりはよかったのですが、やはり口語訳の訳文がいちばんきれいにきこえる気がしました。

日本語訳は言葉の順番が原文と違ったり、原文通りに理解しづらい所もありますが、訳文の言葉の響きによっては、心ひかれ、その聖書箇所に注目させてくれるところもあるかと思います。同じリルケの詩も、日本語訳文によって印象が違うように。
有名なところでは詩編23編2節で、口語訳では「主はわたしを緑の牧場に伏させ、いこいのみぎわに伴われる」と訳されていたのが、新共同訳(2004年)では「主はわたしを青草の原に休ませ、憩いの水のほとりに伴い」となり、がっかりした方が少なくないと聞きました。聖書協会共同訳(2018年)では、「主はわたしを緑の野に伏させ、憩いの汀(みぎわ)に伴われる」と「みぎわ」が復活されました。意味するところは同じなのでしょうが、素敵な響きの言葉で聞きたいなと思ってしまう私です。 (すぬこ こと S.K.)

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