青森松原教会ホームページ

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奥羽教区全体修養会に参加して

奥羽教区全体修養会に参加して

2016年8月1日から3日まで、秋田市のさとみ温泉で行われた全体修養会に行ってきました。秋田駅に降りるとそれだけで汗が流れてきました。講師は滝野川教会牧師・聖学院大学理事長である阿久戸光晴先生でした。1日目と2日目と講演を拝聴したり、オプションの秋田教会巡りをして1975年から1981年までの間に涙を101回流されたマリア像を見に行ったり、別コースの美術館巡りの方では竿灯祭りの実演を見たという話しを聞いて(それも体験したかったなあ」と思ったり。

オプションに参加しなかった人のためにはホテルに2つのワークショップが用意されていました。自殺予防の現場からの報告と性の多様性の問題(LGBT)を考える会でした。勿論、疲れたら自分の部屋で休んでいることも可能でした。

3日目、午前中だけの日程でしたし、講師の先生のお話といっても長くお話しなさらないのではと思いましたが違いました。パソコンを使って井深八重姉の生涯を描いた短い記録映画を上映しました。私が中学・高校時代によく親しんでいた遠藤周作の作品のひとつ「わたしが・棄てた・女」のヒロイン、ミツのモデルになった方です。1987年名門井深家に生まれた彼女は、英語も堪能な美しい女性に育ちました。大学も卒業し、あとは幸せな結婚をするだけとなったある日、首に赤い湿疹がいくつかできました。病院に行ったところ「ハンセン病の疑いあり。」と診断され、人生が一変します。御殿場にある神山(こうやま)復生病院に何もつげられず連れて行かれ、本名を奪われ新しい名前をつけられます。暗い絶望の淵の中にあった八重姉の心を神むけさせたのは医師も看護婦もいない中で懸命に手当てをするドイツ人のレゼ神父の姿でした。神父の愛誦の「空の空なり」(くうのくうなり)(文語訳聖書、コヘレト1章2節)それは「空(くう)であることもまた空(くう)である。それゆえその中で永遠に残るのは神の愛。」のちにハンセン病でなかったことがわかりますが、八重姉は看護師の資格を取り病院に帰り全てを捧げる人生を選びます。国際ナイチンゲール賞を受賞し、マザーテレサとも友人になりました。いつも飾らず、神に派遣された意味を常に考えていた生涯でした。最後の日の講演であるし、好きな作家の作品を思い出したので、一番印象に残りました。

新しいお話を聞いて考えるということは楽しいことです。遠くの修養会には行けないけれど、近かったらまた行きたいなと思いました。

(M)

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